2012年01月06日

天地明察

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弟が、沖方丁さん著の天地明察という本を送ってくれました。

今年映画化もされる話題の本らしいですが、とにかく面白い!!江戸時代、将軍綱吉の時代に改暦事業を推進した渋川春海を題材にした小説で、出て来る人物に魅力的な人が多いのです。題材も当時最先端の算術や天文術について結構詳しく書かれていて、これも想像もしてなかったほど進んでいたらしく、知的好奇心をそそられます。こういう理系オタクっぽい話題が好きな人にはたまりません。私も数学苦手だったくせに、この本に出て来る問題はひたすら考えてしまいました。そんな風に本筋とは関係ない楽しみ方ができます。

私が特に面白いと思ったのは、まず、北極星の観察をいろいろな緯度で行う旅(北極出地)で主人公の先輩だった50代の二人(伊藤と建部)が永遠の少年みたいに輝いていたところ。この人たちがユーモアたっぷりで非常に魅力的な人間として書かれています。まずはこの純粋さに心を打たれます。

それから、大老保科正之が戦国時代から太平の世を創るために、民政をしき様々な政策を打ち出していき、世の中を変えて人の心を動かすところ。この人の場合は挫折から始まったのですが、今までの常識を打ち破る考え方をして、どうすれば世の中全体がうまくいくのか、そしてそれを現実社会の枠組みの中でどのように実現させるのか、というあたりが、サラリーマンとして非常に勉強になります。

この3人の人物が出て来る場面、この本に書かれているその生き様は非常に刺激的でした。それとともに、主人公の挫折しながらも初心を貫徹し自分の道に邁進するひたむきさと情熱を、今の私の状況と照らし合わせてしまい、落ち込むところでもありました。一体私は何のために生きているのか?という疑問を、20年ぶりくらいに自分に問う羽目に陥るほど。あらゆるレベルで色々考えさせられる話でした。

こういう、自分を刺激したり、全く知らなかったことを教えてくれるような小説は面白いですね。ちなみにこの渋川春海さんの頓挫ぶりはモームの「人間の絆」くらいすごかったけど、渋川さんは碁打ちなので非常に戦略的なところがまた舌を巻きます。

しかも、これだけ色々考えさせられるのにエンターテイメント小説として成り立っているところがすごい。映画が楽しみです。

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2011年04月03日

To Catch A Dollar グラミン銀行のアメリカでの活動

グラミン銀行のアメリカでの活動を描いた、To Catch A Dollarという映画を見て来ました。

グラミン銀行とは、バングラデシュでムハマド・ヤヌス博士という経済学者が1970年代に始めたマイクロファイナンスの機関。マイクロファイナンスとは、通常の銀行システムではお金を借りることができない低所得者向けに、小額の融資を低金利で行うシステム。往来、こういう人たちにお金を貸す金融機関というのは、高利貸ししかいませんでした。グラミン銀行の画期的なところは、無担保、低金利でも、借りたい人が5人以上のグループを作って毎週のグループで集まって借金を返済し、お金をどのように使ったかという話をすることにより、個人の持つ条件ではなく、個人の人柄に頼ってお金を貸していることです。

たとえば、アメリカでは高金利のクレジットカードは金利25%くらい取りますが、映画の中で出て来たグラミン銀行の金利は7.5%。普通、ローンの金利で25%くらいとる所はお金を貸した顧客のうち2割くらいは返済が遅れ、そのうちの1割くらいは貸し倒れに終わるんじゃないかと思います。つまり利益を出すためにはそのリスクに見合った金利設定をしなければならないので、通常の銀行という枠組みの中では、低金利で高リスク先に貸し出すというのは不可能です。

グラミン銀行の返済率は98%以上だそうです(往来の銀行の返済率とは計算方法が違うという話がありますが)。これは、グループ内のすべての人がきっちり返済することにより、そのグループはより多くのお金を借りられるというシステムになっているからで、連帯責任があるからです。グループ内で他人の借金の穴埋めをする義務はないが、お互いに助け合うことはあるらしい。

借りたお金は、すべてビジネスのために使わなければいけません。消費ではなく生産にお金を使うことによって、もとのお金が大きくなっていって、借りた人が豊かになっていくのが目的だから。福祉ではなく、経済活動に参加することを通して貧しい人が豊かになっていく、というのが、彼の構想した新しい社会のモデル。

昨今は商業銀行がマイクロファイナンスの分野に進出していますが、ヤヌス氏は、きっぱりと「貧しい人を利益を生む対象としてとらえてはいけない」と言っていました。「今まで我々は『どうしたら利益が出るか』という色眼鏡をかけて世の中を見てきたが、今後はその眼鏡を取るべきだ」とも。

映画が終わったあと、「あなたの銀行でもこういうビジネスに進出すると思うか」と聞かれました。法規制が変われば、そういうこともあるかも知れませんが、今のところ自主的にそういうビジネスに乗り出すことはあり得ないと思います。株式上場している企業は、どれだけ利益を出しても次の四半期にはそれ以上の利益を出さないといけないので、利益が出ると分かっていることしかしないから。

ただ、グラミン銀行はアメリカでは預金を集めてそれを貸し出して運用する銀行としての免許は持っていないらしく、資金を個人からの投資や寄付でまかなっているそうです。そして、各地の投資家から、億単位の資金が集まったから是非自分の住む町に進出してくれとのオファーが出ているとか。往来の銀行の枠組みではできないことを新しい仕組みを作ってやっています。ちょっと前まではありえないと思っていたことが現実になっているので、そのうち商業銀行でもそういうビジネスが可能になるのかな?ちょっと考えられないですが。

この映画、まだ日本にはいっていないようですが、日本でも上映してほしいです。アメリカでお金を借りている人々が主に出て来るのですが、日々の暮らしは大変なのにユーモアたっぷりで、とても楽しい映画でした。
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2010年12月19日

ハリーポッターと死の秘宝

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ハリーポッターシリーズの最後の本、死の秘宝の映画版パート1を見てきました。

公開されてしばらくたつのですいてるかなと思いきや、満員御礼。やっぱハリポタは人気ありますね。

一番最初の映画はいかにも子供向けだったのに、どんどん内容がダークになっていって、今回のは大人でも結構怖い。しかも登場人物がどんどん死んでいくので悲しい。子供にはこれはちょっときついのでは?と思いました。

映画は途中ちょっとだらけるので長く感じましたが、原作にかなり忠実だと思いました。しかし・・・ハリーとロンがすっかり成長してずいぶん雰囲気が変わっているのにぶったまげた。ハリポタの映画化、つい最近のことだと思ってたのに。

途中をカットすれば一つの映画でおさまったと思うんだけど、そうすると長くなりすぎたんだろうか。また次まで待ちきれない。




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2010年11月08日

有川浩「阪急電車」

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有川浩さんの作品は読んだことはなかったのですが、「阪急電車」というタイトルと装丁に惹かれてつい買ってしまいました。

ちなみにこの作家さんは、現在嵐のニノが主演で出ている「フリーター、家を買う」の原作者。このドラマの中のニノは最初は頼りないんだけど、すごく優しくていい!揺れるハート

それはともかく、神戸出身の私は、中学〜大学までの10年間、阪急電車で通学してました。神戸では阪急は山の手、お上品っていうイメージがあり、沿線には高級住宅地が点在しています。えんじ色のレトロな外観で、平行して大阪まで行くJRよりも遅くて、のんびりした印象の電車です。

物語は阪急沿線の中でもかなりマイナーな、今津線が舞台。短編小説が集まったような形式になっていて、一章ごとに一つの駅が舞台になっていて、その一つ一つがなんとなくつながって大きなストーリーになっているという不思議な設定。しかも往復で、行きと帰りでストーリーが完結しています。

読み出したら止まりません。なんと言っても登場人物一人一人がかなり現実的に描かれていて、こういう話絶対ある!と思わせるのです。電車という限られた空間が舞台なんだけれども、そこに乗って来る人々一人一人の人生が生き生きと描写されています。そこで繰り広げられる会話も、普通に電車に乗っていて聞こえて来るような、何気ない会話。どこにでもいる人の現実的な物語、でもその話の一つ一つが素敵。それに、話が暖かくて、ともすれば安易になりがちなハッピーエンディングも、ちょっと心がぽかぽかしてくるような、さり気なさがあります。

ちなみに、アマゾンの書評を読んでいたら、「電車の中では他人に話しかけないだろう」と書いている人がいましたが、関西では普通に話しかけます!私も電車の中でどれだけの人と話をした事か・・・。あるときはおばちゃんに「魚買うてきましてん」とどうでもいい報告をされ、あるときはおじちゃんに「スカートのチャック開いてるよ」と注意され、小説の中でもあるようにおじいさんに無礼を怒られ、電車の中でどれだけ色んな人と出会ってお世話になった事か。それにもう今だから白状しますけど、電車の中でかっこよかった男の子に手紙渡してお友達になったことだってあるのだよ(恥)。考えてみれば、電車という空間は、子供だった私が初めて見た世間の縮図だったと言えるかも。電車通学には色んな思い出があるので、この話がすっと入ってきたのかも知れません。

ついでに言うと、少女漫画みたいな胸キュンストーリーもあるので、昔の少女にはなかなか楽しいです。色んな思い出が蘇ってきました。

映画化されるとのことですが、一体どんな感じになるんだろうな〜。


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2010年08月04日

オレンジの壷

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パリが舞台の小説を探していて、宮本輝さんの「オレンジの壷」に遭遇したので読んでみました。

第二次世界大戦前のパリと現代(1990年代)が交差する面白い筋立てです。Classyに6年間も連載されていた小説らしく、個人的にはプロットがあちこち閉じてなかったり人物の行動に一貫性がないような気がたりして、読み終わった後ちょっと納得いきませんでしたが、読んでいる間はドキドキしながら夢中になりました。プロットが閉じてないのも、解説にはこの物語のいいところと書いてありましたが、賛成できない。

「戦争はそれに関わった人間を永遠に変えてしまう」というのが大きなテーマです。最近第二次世界大戦や第一次世界大戦のあたりの本を読む事が多く、その当時のことについて考えていたのですが、全く違う文化や民族と戦争を繰り返して今に至った国と、そうでない国とでは、確かに物の考え方が全く違うと思いました。特に、国民全体を巻き込んだ世界大戦。

前々からなんでアメリカって色んな意味でこんなに特殊なんだろう?という問いに、それは国が新しくて未開なところがまだたくさんあって、文化というものが成熟していないせいだろうと思っていたのですが、世界規模の大戦を国民が自分のものとして(本土決戦などで)経験していないことは、非常に大きいことなのでは?と思い至りました。

すなわち、アメリカの市民というものは、自分の力でどうにもならない、大きな歴史のうねりとか、権力闘争とか、どうやって資本主義が生まれて社会主義が生まれたかとか、常に部外者であって、そういったことに対する共通の体験がないのです。

今の若い日本人はどうか分かりませんが、私の世代(ベビーブーマー)ではまだ戦争体験が国民のDNAに深く刻まれていました。正しいかはともかくとしてある経験に対する共通の認識を、言葉で言い表すことのできない感情レベルのものも含めて、共有している人が多い社会とそうでない社会では、確かに物事に対する考え方とか、人々の何かに対する反応とかは、全く違うものになるでしょう。

アメリカ人の国民としての共通認識の始まりは、ベトナム戦争と冷戦だったのではないかと思います。これも、空から焼夷弾が降って来ていつ死ぬか分からない恐怖と比べればかなり浅い認識だとは思いますが・・・。ものすごく大雑把ですが、やたら前向きなのも社会主義に無条件に嫌悪感を示すのも、政治が右へ左へ大きく揺れ動いて間がなかなか取れないのも、もしかするとこういうことも一因なのでは?と思えてきました。(ただの独断と偏見です)

9月に休暇でヨーロッパに行くので、アメリカから離れて、ヨーロッパの現在や歴史に触れるのが非常に楽しみになってきました。
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2010年08月01日

映画「インセプション」

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話題になっていたので見にいってきました。レオナルド・ディカプリオと渡辺謙さんが出ている映画、「インセプション」

他人の夢の中に侵入して、大事な情報を盗むことを稼業にしているディカプリオ。渡辺謙さんはそのターゲットになる実業家の役。ディカプリオが情報を盗もうとする中、渡辺謙さんがそれが夢であることに気がついて、ディカプリオは失敗します。後日渡辺謙さんが交渉して、ライバル社の跡取り息子の夢に侵入してアイディアを無意識に埋め込むというミッションを依頼することにより、物語が発展していきます。

情報を盗むのはextraction、逆に情報を埋め込むのがinceptionということで映画のタイトルになったようです。

この映画、3時間弱。10時20分始まりのレイトショーに旦那と友達と3人で行きましたが・・・30分もたたないうちに、金曜の夜遅く行ったことを後悔。後悔する間もなく睡魔に負けて寝てしまった。

というわけで、途中30分くらい見損なったのですが、私的には夢を構築してその中に入って行き、それが何重にもなっている話は面白かったです。(夢の中でまた夢を見ている状態)。

でも旦那と友達はあまり面白くなかったようで、何回も私の腕時計で時間を確認したり、早く帰って寝たかった様子。

旦那は「ハリウッド映画の売れるツボを押してるだけの映画で、マトリックス1のように知的に考えさせられるような内容でもなかった」と酷評していました。

見た人に聞いても評価が分かれる映画だったので、人によって受け止め方が全く違うようです。この監督さんは個人的に好きで(特に「メメント」)、私としてはハリウッド映画の中では頭も使うしいい映画だと思いました。

ただ話の中で奥さんとの絡みがメロドラマ過ぎてちょっとしつこかったかな。まあディカプリオは「タイタニック」に出てたくらいなんでメロドラマは得意分野だと思いますが。多分ラストも意見の別れるところだと思います。

渡辺謙さんを含め、キャストは最高。エンターテイメントとしてはよかったです。とか言いながら寝たけど。



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2010年07月12日

The Help

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前回人種差別のことについて書きましたが、ベストセラーになっている本で大変よかった本があります。残念ながらまだ日本語訳は出ていないようですが、英語は読みやすいので原書を読まれる方にはおすすめです。Kathryn Stockettという著者の、The Helpという本。

舞台は1960年代のミシシッピー。タイトルの「ヘルプ」というのは、白人家庭で働く黒人のお手伝いさんのこと。様々な白人の雇い主と彼らのお手伝いさんたちとの間に起こるドラマが、白人と黒人両方の視点から描かれています。面白いのが語り手によって口調が全く変わる事と、同じ事を見ていても考えていることが違うこと。もし日本語になったらどんな風に翻訳されるんだろう?と思いました。

当時はキング牧師のスピーチや、バスやレストランでの座り込み運動など、公民権運動がどんどん発展していった時期。それと同時に、白人による黒人の殺害など、抑圧も激化していきました。本の中のエピソードの一つに、「黒人は病気をたくさん持っていて汚いので、白人と同じトイレを使わせるのはよくない」という理論を持って、お手伝いさん専用のトイレを作る場面があります。つい最近のことなのに、こんな話がまかり通っていた事自体が信じられません。

登場人物が一人一人魅力的で、小さい町の中での「自分の定位置」から抜け出す事ができずもがく姿がよく描かれています。その中で人々が出す勇気。もちろん現在でも「他人に定められた場所」から抜け出すことのできない社会がたくさん存在し、日本でもアメリカでもそういう見えない抑圧の中で生活している人はいると思います。しかし、こういう本を読むにつけ、自分の意志を行動に移せる国と時代に生まれたことの幸運と奇跡について考えさせられます。

この本の直後に第一次大戦後のイギリスが舞台の話を読み、今イーディス・ワートンの「無垢の時代」(1870年代のNY)を読んでいて、時代をさかのぼって色々な社会的制約について読んでいるので、余計にそう感じるのかも知れません。ほんの何十年の間にここまで時代が変わり、その時代の記憶そのものの共有が薄れていくのが不思議です。おかしかったのが「無垢の時代」の中である登場人物が、「最近は物事のスピードが早くて」と言う場面。いつの時代も人が思っていることは変わらないですね。


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2010年05月20日

本を贈る

今週末は旦那のお父さんの70歳のお誕生日なので、サプライズでマサチューセッツの実家に行く予定です。

我々が行くのは義父には内緒にしていて、彼がいないところで義母とこそこそ誕生日ディナーのメニューの相談などしてます。

そんな訳で今週はあちこち買い物に行ってプレゼントやお土産を仕入れてて大忙し。

義父は子供向けの本を出版したりしてて、読書好き。本の趣味が私と重なるところがあるので今までもお互いに本を交換してきました。で、旦那に、「最近すごい勢いで読書してるらしいから、本選んで来て」と頼まれました。

普段自分の本はアマゾンで中古で買って安くあげているのですが、たまにはローカルの本屋さんで買い物しなきゃいけないなと思い、サンフランシスコのフェリービルにある、Book Passageという本屋さんへ。

この本屋さんはベイエリアでは有名で、著名な作家さんが来てリーディングをしたり、語学のクラスを開いたりしています。

ちなみに私、日本の本屋さんの陳列や雰囲気が大好き(特に東京駅の前の丸善みたいな感じが好き)なのですが、こちらの本屋はなかなかそういう感じのところがなくて、ぶらっと立ち寄って色々見て面白い本屋さんに飢えております。Book Passageはまあまあなのですが、フェリービルの店は狭いので品揃えが悪いのが難点。でも著者さんのサイン本が多数あります。

昔はバークレーにCody'sというすばらしい本屋さんがあったのに、日本人投資家が貸金にだまされたかなにかで倒産してしまったそうです。アマゾンのお陰で本屋さんも大変。

残念ながらお目当ての本がなかったため、そこのスタッフおすすめの本、Justin EvansのA Good and Happy Childと、私の好きな作家Ian McEwanのSaturdayの2冊を選んでみました。

私はどちらも読んだことがないので、ほんとに面白いんだろうか?とフェリーの中で目を通したら、二冊ともつかみはいい。一冊目はスタッフの書評に「あまりにも怖いので一人きりの時には読まないようにした」とあったので、途中まで読んで怖くなって止めてしまいましたが・・・。

今積ん読本がかなりたまっているので、ある程度少なくなってきたらまた読んでみることにします。

でも人のために本を選ぶって、すごく難しいですよね。本の趣味なんて、主観そのものだし、服みたいに表に出ているものではないから、色んな本の話をして「この人はこういう感じが好きなんだろうなあ」と推測するしかないわけで。どちらか一つでも気に入ってくれるといいのですが。
posted by neko at 14:05| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月08日

アカデミー賞

The Hurt Lockerというのが最優秀映画賞取りましたが、まったく知らない映画でした。

アバターがもっと頑張るかな?と思ったらそれほどでもなく、意外。

サンドラ・ブルックがやたらきれいだったので、「今日はきれいだね〜」って旦那に言ったら、「すごい化粧したんじゃない」と鋭い突っ込みが。男性はこういうとこシビアに見てるね。

District 9やInglorious Bastardsもすごくよかったのにあまり賞を取ってなかったので、The Hurt Lockerてそんなにいいんだろうか。旦那は今日早速オンデマンドで観たがってたけど、私の持ち帰り仕事が残っているため断念。来週末にでも観てみます。

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2010年02月28日

映画Formosa Betrayed

台湾出身の人に誘われて、台湾が舞台の政治スリラー「Formosa Betrayed」という映画を見て来ました。

80年代におきた台湾系アメリカ市民の暗殺事件をもとにしたフィクションですが、テーマは台湾国民政府統治時代(民主主義になる前の台湾)の恐怖政治とそれによって被害を受けた台湾人の話、そして今も独立国家として認められていない台湾の現実です。

ちなみにタイトルのFormosaというのは、ポルトガル語で「美しい国」という意味で、台湾を「発見」したポルトガル人たちがこの国をそう呼んだそうです。

物語はアメリカ国内で起きた暗殺事件の犯人が台湾人だということが分かり、FBI捜査官が台湾に飛ぶところから始まります。台湾の捜査官が捜査内容を開示してくれず、また台湾政府に監視されていることを知った主人公が独自に展開した捜査活動の中で、台湾国民政府と暗殺の関係に迫るところでクライマックスを迎えます。

時代はニクソンが中国と国交を開始したすぐ後。アメリカ政府と台湾の意外な関係も分かってきます。(これは史実に基づく本当の話なのかどうか分かりません)

台湾って日本にあんなに近いのに、こういう歴史があったとは全然知りませんでした。なんで東南アジアで唯一、台湾だけに親日派が多いのかもこれで謎が解けました。台湾のインフラや教育制度を整えた日本の占領軍に対し、そのあとに来た蒋介石の政府の弾圧があまりにもひどすぎたのですね。ちなみにウィキの英語版と日本語版では日本の統治時代の記述がだいぶ違うので、興味のある方は読み比べてみてください。

実は台湾が独立国として認められているのか?ということで旦那と一戦交えたのですが、私も知ってるようで知らなかったことが多くて勉強になりました。旦那は台湾の歴史なんて全く知らないし、CIAのファクトブックを見ながら話をしていたので、「CIAの言うことがすべてなんて、ほんまアメリカンやな!」と私が言ったことにより勃発したのですが・・・。口は災いのもとです。

インディー映画なのでDVDになるのかも分かりませんが、機会があれば一度ご覧ください。
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2010年02月22日

ネガティブ思考を断ち切る

日本で買って来た本で不発なものが立て続けにあり、残念に思っていたら、小宮一慶さんの本の一文でようやく救われました。

どんな時代もサバイブする人の時間力養成講座

本自体は若い人向けで中堅だとちょっと基本過ぎるか・・・ということが書いてあるのですが、「ネガティブな思考を継続させないために、輪ゴムを腕につけて、悪いことを考えたときに指でパチッとやって思考を断ち切る訓練を1年した」というところにひかれました。

お坊さんと普通の人との違いは、訓練されたお坊さんは、一時的に怒っても、すぐ脳の状態をコントロールできることだそうです。さすがに輪ゴムを腕につけると所帯染みたおばさんになってしまうので、別の方法で代替して試してみようと思います。私の欠点は、いったんネガティブ思考に入ってしまうと、スパイラルに陥ってしまい、なかなか浮上できない点にあるので、これは是非とも克服したいと思っています。

さて、久々に「金返せ」と思ったのは、中山美穂主演映画になっている、「サヨナライツカ」。な、なんじゃこれ!?あまりにも安易な設定、人物描写(というか描写にもなってない)に、目が点になってしまった。空港で旦那にせかされながらつい買ってしまった本なので仕方がないのだが、アマゾンの書評を先に読んでおけばよかったと後悔。ていうかいくらご主人が書いたとはいえ、こんな小説をもとにした映画に出ようと思ったミポリンって一体???

後から見たら芥川賞取ってる作家らしいのだが、この人の本は二度と読みません。


でここが、輪ゴムをパチッとやるタイミングです。



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2010年01月04日

映画「アバター」観て来ました

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(C)2009TwentiethCenturyFox.Allrightsreserved.

ジェイムス・キャメロン監督の「アバター」、3Dで観て来ました。

3時間近い映画だったんですが、もう緊張と興奮の連続で、映画館出たら肩がばきばきにこってました。

すごく面白かった!

俳優さんたちが顔や体に機械をつけて演技して3Gにしたという話だったので、観るのに抵抗あるかな?と思ったら、とんでもない。人物が魅力的だったし、ひとコマひとコマがとても美しい。舞台のパンデュラという場所に行ってみたくなりました。

「スターウォーズ」、「マトリックス」などと並んで、新ジャンルを切り開いた映画です。技術もすばらしいんですが、プロットもよくできていて、環境破壊に対する批判や、人間のおごりに対する警告などが読み取れました。(でも、ディズニー映画はでよくある設定かも?)何よりも、エンターテイメント性に秀でています。

これはCG映画ではなくて、俳優が実際に演じている、新しい技術を用いた映画なので、アカデミー賞の(アニメじゃなくて)普通の映画ジャンルにも当てはまる、とジェームス・キャメロンが言ったとか。彼は1994年からこの構想をあたためていたそうですが、技術がついていかなかったそうです。

アメリカでは3週連続で興行成績1位、既に10億ドルを超えたそうです。NYタイムズによると制作費がその半分の5億ドルらしいです(制作費については色んな説があるらしい)。

もうとにかくすごい映画なので、映画館で、3Dで是非ご覧ください。



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2009年04月12日

社長力養成講座〜ビジネスを自分のものとして認識する

本日、出張先の北京より帰宅しました。

金曜はディナー→現地のマネージャーとホテルで飲み→アナリストとクラブに行くというトリプルブッキングで、結局ホテルに帰ったのは朝の4時。それからパックして、仮眠を取り、空港に行くという段取りは、30代半ばの体にはちときつかった。飛行機で爆睡したのに、家に帰ってきてから夕方まで寝てしまいました。

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飛行機の中で、「どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座」(小宮 一慶著)を読みました。

「経営」を行うとはどういうことかがものすごく分かりやすく書いてある本です。

この人の主張は、まず商売とは「お客様第一」であるということです。そのためには細かな日常の行動から変えていかなければならない、ということが書いてあります。

ビジネスは、お客様を幸せにして、よりよいサービスを創出し、社会に対する価値を作り、税金を納め、そして従業員やその家族を幸せにして、社会に貢献することが目的である。

こういった切り口で経営について書いた本を読んだことがなかったため、特にこの価格帯の本にしては、目からウロコでした。

この本はもともと中小企業の社長向けに書かれたようですが、実際には普通のビジネスマンもターゲットに入っています。それも経営者レベルではなく、私のような中間管理職でも十分明日から使えるような技術、考え方が満載です。

特に、先日のお客さんとのディナーで、弊社の内部志向について散々批判されたので、著者の「お客様志向」を徹底するためにはどうすればいいか、という話は非常に興味深かったです。

そして、リーダとは、「信念を持たなければいけない」ということが書いてあります。リーダーが仕事を楽しみ、そして確固たる信念を持っていないと、下の人の心は動かない。これは、私の経験からも、まさにその通りだと思いました。

組織が大きくなると、役職が上がるにつれ、自分の部署の利益や、ひいては自分の保身、といったことに目がいってしまうのですが、そういうのを部下はよく見ています。たとえば、私の上司はやり手で保身もうまいのですが、いくら私がボスの評判を保とうとしても、私の部下は心の底からは私の上司を信頼できないようです。もちろん部下は自分の評判も大事なので、表面的には私の上司を信頼しているかのようなそぶりをします。でも、ふとした拍子に相手の本心が見えてしまいます。

これでは、不況のときは従業員をつなぎとめておけるが、好況になった瞬間、この人たちは離れていってしまうのではないか?と不安になります。実際、小宮さんの本の中にも、従業員を育てることは、会社の10年後の価値を高めることである、というようなことが書いてあります。(新規事業は5年後の会社の価値を高めることにつながるそうです。)「人は宝」というのは、いつの時代にも変わらぬ原則なのだと思います。

勝間和子さんの本を読んでから気がついたのですが、最近の日本のビジネス書には質の高いものが続々出版されているようです。ただ、今回も不発な本を数冊買ってしまいましたが・・・。

ちなみに、出版元の「ディスカバートゥウェンティワン」の社長さんもかなりお若くてきれいな方なんです。ここの新書は今まで何冊か読みましたが、どれも内容が面白くて気に入っています。

今度、同じ著者の他の本も読んでみようと思います。





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2009年03月25日

コストパフォーマンスその1 起きていることはすべて正しい

51sIe5RzfvL__BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA240_SH20_OU09_.jpgこの不況下、お買い物には以前より慎重になりますが、最近コストパフォーマンスの高い買い物が続いてなんだか嬉しいので書きます。まずは勝間和代さんの本。

昨年からマイミクさんの日記を見ていて気になった「カツマー」という言葉。

先日サンフランシスコの紀伊国屋さんで勝間さんの本を見かけ、ようやくひらめきと頭の中にライトが灯りました。

というわけで、読んでみた「起きていることはすべて正しい」。久しぶりにコストパフォーマンスの非常に高い本でした。

そのせいか、二回目に紀伊国屋さんノ行ったときは、どどっと平積みになってた本が一冊しか残ってなかった。ちなみにてっきり男性だと思っていたら、きれいなお姉さんタイプの人でびっくり。

すでにお読みになった方も多いかと思うので本の内容は省きますが、この人の本の特徴は、「再現可能なスキル」が満載なところ。

私にとっては久々になんだかやる気になった本。勝間さんが30代に入ってからがんばって40代で花開いたところを見て、いくつになっても自分を変えるのは遅くないんだな・・と思ったりして。そして、普通だったら恥ずかしくて躊躇するような話もはっきり書いてあるので、この人はまじめに書いてるんだな、と思わせるところもミソです。

早速真似できそうなところを試してみました。

1)日常の生活の中でフレームワークを意識する。

一応コンサル職なので普段から何気なくやっていることですが、改めて意識してみると、日常の中での気づきが増えました。たとえば、自分の能力が正当に評価されていないと思っている部下。この人は話がフレームワークで整理されていないので、優秀なのに人によってはコミュニケーションがうまくいかないというのが分かりました。
また、日本語で「空雨傘」(マッキンゼーで教えられていたフレームワークらしい)と書いた紙をデスクに張っていたら、中国人の部下に「これは何か?」質問され、そこからコーチングセッションが始まったりと、意外な副作用が。

2)新しいことを考えるときにマインドマップを作る。

これを使って作った企画を同僚とシェアするときにマインドマップを見せたら、かなり好評でした。小さいことですが自分から新しいことを職場に持ち込んで、周りの環境を変えていく起爆剤みたいになれたらうれしいですね。うちの職場ではリサーチの人は使っているみたいですが、われわれデリバリー側の人間はどちらかと言えばクリエイティブな思考が抜けがちなので、バランスをとるのにもちょうどいいみたいです。
  
  
3)ストレンス・ファインダーをやってみた。

これは「さあ、才能に目覚めよう」という本を買えばオンラインでできます。この本はマネージメント本として有名な「まず、ルールを破れー優れたマネージャーはここが違う」の続編みたいなもので、この本は一時職場でも回覧が回ったほど実用的な本です。ただ、部下の管理について強みを考えたことはあっても、自分の強みをアンケートに答えて診断するというのは初めて。やってみて、自分の強みが改めて分かり、それ以外の「自分の価値が出せない」部分は、意識的に捨てるという勝間さんの教えを実行することにしました。

以上、普段自分が考えていたこととシンクロして、その考えを実行する技術に開眼したという点で、この本は非常にコストパフォーマンスが高かったです。

その他、アサーティブコミュニケーション、人脈の広げ方など、今まで私がボスやメンター等にいろいろ言われてきたことと非常に合致しています。彼女の考え方が、アメリカ的なんでしょうか。

結局、物事は「なにげなく」やるのと、「意識して」やるのとでは、結果がぜんぜん違うということですね。何事も、意識の表面化に持ってきて、目的意識を持って行えば、いくつになっても自分を変えることは可能ということでしょうか。やはりぼ〜っと生きているだけでは駄目だなと実感した一冊でした。

来週日本に帰るので彼女のほかの本もチェックしてみたいです。何かおすすめがあれば教えてください。




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2008年11月27日

プロ論「情熱探訪編」

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「プロ論」というB−ing編集部から出ているシリーズの「情熱探訪編」というのを読んでいます。面白いので同シリーズの他の本も買っておけばよかったと思うほど。

各界の一人者にインタビューして仕事とは何か。というようなことを語らせている本なのですが、面白いのが皆が異口同音に同じことを言っているところ。

同じことというのは、「目標を持ち、自分のものさしで動け」「好きなことを仕事にしている人は強い」「大人になっても勉強し続けよ」ということ。

共感することも感心することも多々あり、刺激になる本です。今までの限られた社会人経験の中でも共感するところがたくさんあります。

例えば、「不平等で、不公平で、偶然が評価や成功を左右するのが世の中」(中島義道氏)。「焦らないこと。色んなものは後からついてくる」(櫻井よしこ氏)。「自分の能力以上を求められる環境でなければ、成長は難しい」(柳井正氏)。

実は、帰ってきて分かったのですが、会社で賞をいただいて、ささやかながらボーナスも頂いていました。中国では銀行口座すらチェックしていなかったので、全く分かっていなかったのですが、密かに今回の中国での仕事が認められていたようです。

まだまだ続く仕事なので気が抜けないのですが、振り返ってみるに、今回の仕事ではあまりに状況が切羽詰っていたため、自分のことなど考える余裕はなく、ただがむしゃらにプロジェクトを成功させるためだけに仕事をしていました。

色々な場面で決断が求められ、そのたびに「これでクビになっても仕方ないな」と思いながらエイヤっと決断をしてきたのが、結果的には自分にとって有利に動いたようです。

この経験を通して思ったことですが、仕事というのはやはり一生懸命没頭してやらないと面白くないな、ということ。そして、没頭して初めて、色んなことが後からついてくるもんだということ。

実際のところ、私自身が何か自分で成し遂げたのではなく、周りの人に助けられ、チームの実力によって仕事ができたというのが真相です。はっきり言って、私の実力ではとても難しいプロジェクトです。ただ、チームの人に、「Neko相手じゃなかったら、ここまで自分を犠牲にして働かなかった」と言われて、私が本気だということが周りに通じたんだな、と実感できたのが、一番嬉しかったです。

この仕事が天職などと思ったことはないし、今も向いてないなと思うのですが、寝る間を惜しんで仕事ができる、というのは、好きっていうことだろうな〜と自分でも思います。

ただこの本を読んでいて、では私の仕事が社会に何を還元しているのか、と聞かれたら、答えられません。今の仕事は、中国の庶民を助けているというより、共産党を含む富裕層の富を増やしているだけのような気もするし・・・。そもそも私の仕事は金融機関の利益を増やすことにあるので、社会的な意味といっても、貨幣の安定、とか、とってつけたような理由になってしまいます。

一生悩んでいくというのが職業人の醍醐味なのかも知れません。

とは言え、あまりにも犠牲になっているプライベートを充実させるのも、さしあたっての課題。今日も感謝祭前日だというのに時差ぼけが苦しくて買い物は全て旦那に行ってもらったし、良妻にはほど遠い・・・。たらーっ(汗)

posted by neko at 18:02| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月27日

映画「アパートの鍵貸します」

土曜日は旦那(36歳)のお誕生日だったので、ワインテイスティングなぞ企画しておったのですが、あいにくの悪天候のためお流れに。

変わりに家の改装用の資材を買いに行ったはいいものの、行った店5軒中3軒が閉まっており、「先にリサーチしてよ」てなもんで険悪な雰囲気に・・・。むかっ(怒り)

何の変哲もない一日になってしまいましたが、同僚に教えてもらったイタリアンでおいしいワインやシーフードを頂き、最後はなんとか無事にお祝いすることができました。

ディナーの後、家でジャックレモン主演のなつかしの映画、「アパートの鍵貸します」(監督:ビリーワイルダー)を見ました。実はインドで「Life in a...Metro」という映画を見たのですが、この映画の伏線がどうもジャックレモンの映画のコピー?と思ったので、見てみることにしたのです。

ちなみにこのインド映画も面白かったです。インドの現代社会が垣間見れるし、なんと言ってもすごくロマンチックなメロドラマなところが日本人の感性に近い気がします。そして伏線は完全なコピーですがいろんなところが現代化されているので比較するのも面白い。

で、このジャックレモンの映画ですが、製作は1960年。白黒の映画を見ながら旦那が「これは僕の生まれる12年前の映画だね」というので、「へえ〜もうおっさんだね」「うわ〜ほんとだ。そういう言い方をするとものすごく昔に産まれた気がする」などとあ〜だこ〜だ言いながら見ていたのですが・・・。

映画自体も面白いのですが、現代から見て突っ込みどころ満載なところもかなり面白い!たとえば、マンハッタンの素敵なアパートの家賃が月約90ドル。50年弱で2000%くらいのインフレではないですか。

そしてジャックレモンが昇進したタイトルがAdministrative Assistant。当時は多分立派な役職だったんだろうけど、今は事務職雑用一般のタイトルです。

個人的に受けたのが、当時の中華料理の店の内装がポリネシアン風がはやっていたらしいこと。というのは、今ではそういうお店はほとんど見かけないのですが、旦那の実家(田舎)の近くに一件、まさに映画に出てくるような中華屋があり、里帰りのたびにそこに行くのが我々の伝統になっているのです。ということは、あの店は60年代からずっとテーマを変えずに営業しているのかも知れず、しかも今となってはめったにないので、逆にものめずらしくて新しいのです。(飲み物はもちろんマイタイなどのアイランド系です)

その他にも、セクハラ満載オフィス、医者の治療方法など、見所満載です。ちなみにジャックレモンは独身貴族でいい生活をしているのですが、その当時にテレビのリモコンを持っています。我が家にリモコンが来たのなんて、90年代に近かったような。さすが(当時)世界大国のアメリカや〜。と、外国人の視点から見るのも面白い映画です。

でも、シャーリー・マクレーンってあんなにかわいかったんですねえ。
posted by neko at 04:37| サンフランシスコ ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月22日

私の男

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友人の友人が、直木賞を取った、と言うので、里帰り中に本屋に走り、桜庭一樹さんの「私の男」をゲットしました。

この友人は直木賞受賞パーティーにも出るそうで、うらやましい!ああいうパーティーってどんなんだろう。

まあそんな話は置いといて、肝心の本の話です。

この人の本を読むのは初めてなのですが、読み終わった瞬間「時間をおいて読み返そう」と思った稀な本です。

章立ても理由のひとつだと思います。というのは、一生ごとに現在から過去に戻っていって、しかもストーリーは常に一人称なのに、主役が章ごとに変わるのです。

主人公は若い女性で、彼女とその父との近親相姦の話なのですが、テーマは孤独、愛情への渇望、家族のようです。かなり暗い話だし生理的にこういう話を受け付けない人もいると思うので、賛否両論あるみたいです。

でも私がもう一度読みたいなと思ったのは、ミステリーの部分が面白いのと、登場人物が非常に魅力的だからです。例えば、物語の中で重要な役割を持つおじいさんがいます。この人は登場回数は少ないのに、少ない台詞だけで生き生きと描かれていて、「誰にでも好かれる」という設定通り、好きにならずにはいられない人物だったりします。

友人によるとこの作者はシナリオ学校に通っていたことがあるらしく、その経験からダイアログがこんなにうまいのかな?と思ったりするのですが。登場人物一人一人がかなりよく描かれています。見た目だけではなく、雰囲気まで思い浮かびます。

また、北海道や東京足立区の描写がとても写実的で、北海道には一度しか行ったことのない私ですが、オホーツク海が目の前に迫ってくるようでした。その暗い風景と、登場人物の暗さ、醜さ、自分勝手さ、人間としてのどうしようもなさ、というのが、非常にうまく融合されていて、心に迫ってくるのです。

基本的に題材が非常に醜いというか、生生しいのを、ここまで綺麗に芸術的に書けるのがすごいなと単純に感心しました。よく書かれていることですが、漢字とひらがなの使い分けを含めた日本語の使い方もすごいです。もちろん、ちょっと怖い話なので、もう一度最初から読むのには覚悟がいるのですが。行間を読ませるというのか、人の想像力を書きたてるものがあるのかも知れません。

普通の生活を送っている人だと感情移入できる人物がほとんどない小説ではないかと思いますが、それでも揺り動かされるのは、人物を超えた感情というものが、よく描かれているからでしょう。

もし読まれた方がいれば、感想をお聞かせください。
posted by neko at 15:53| サンフランシスコ ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月18日

鍋&映画Across the Universe

今週末は三連休るんるん

連休初日は夜にお友達の家にお邪魔して鍋をご馳走になりました。このお家に行くといつもなんだけど、食べすぎで倒れる〜と思うまで食べ続けてしまいます。昨日も苦しかった・・・。でも鍋おいしかった。ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)

そして鍋の後はDVDを見せてもらいました。日本未公開らしい、Across the Universeという映画。

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お友達がビートルズの大ファンなので買ったそうですが、何を隠そう私も昔ビートルズファンクラブに属していた過去もあるビートルズマニア。(もちろんその時代にはとっくに解散、ジョンレノンも亡くなっていましたが、定期的にファンの集いがあって映画鑑賞をしたりする、マニアックなクラブでした)

映画はビートルズの曲だけを使ったミュージカルです。60年代のベトナム戦争当時の若者の生き様を描いています。主人公はイギリス人のジュードとアメリカ人のルーシー。ビートルズは歴史が長いのでたくさんの曲がありますが、彼らの曲だけ使ってストーリーをあそこまで組み立てたのはお見事でした。

時代背景にもぴったりで、軽快な音楽を歌っていても役者がうまくて、感情移入して泣いてしまったり。取り扱っている内容自体暗いのですが、最後はやはりAll you need is loveで希望のあるエンディング。また、途中かなりトリッピーで芸術的なフィルムワークも散りばめられていて、訳分からず見入ってしまうところも。

それにしても、これだけ時代を経てまだなお新鮮さを失わないビートルズの楽曲は素晴らしいです。でもやはり、私は初期のビートルズが一番好き。もう一度昔のCDを聴きなおしたくなりました。

ちなみにこの映画、U2のBonoも出演していて熱唱してます。
posted by neko at 13:37| サンフランシスコ ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月02日

映画カイトランナー(The Kite Runner)

友人が誘ってくれたので、The Kite Runner(カイトランナー)の試写会に行ってきました。

この映画はカーレド・ホッセイニ著の同名原作に基づいています。ベストセラーでもあり、色んな人から薦められたので是非読んでみたいと思っていたのですが、映画が先になってしまいました。

物語はアフガニスタンで育ってアメリカに亡命した少年が、あることをきっかけにずっと引きずっていた罪の意識を、再びアフガニスタンに戻ることによって癒していく過程を描いています。少年時代の楽しいアフガニスタンと、彼が帰った後のタリバン政権のアフガニスタンでは隔世の感があります。途中残酷なシーンもあり、アフガニスタンでは既に政治的な問題になっているというニュースもあります。

子役も含めて映画の俳優陣はすばらしく、特に私は主人公の父親の人間らしい魅力に惹かれました。人物描写がよくできているので、つい感情移入して落ち込んでしまったのですが、それと同時に人間に対して希望が持てる作品でもあります。人間の暗い部分だけではなく、小さくても美しいところがたくさん出てきます。

終わった後も余韻が残る映画で、本も読んでみたいと思います。日本でも公開されるといいな。
posted by neko at 11:08| サンフランシスコ ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月02日

The War

今、PBSという公共チャンネルで、The Warというドキュメンタリーをやっています。Ken Burnsというドキュメンタリーの巨匠が6年がかりで製作した7時間に渡る大作で、題材は第二次世界大戦。

普通のアメリカ人にスポットライトを当てて、戦争に出て行った兵士、銃後を守る家族、戦争物資を生産する工場で働く人々、収容所に入れられた日本人、差別の中で出征する黒人など、多種多様な人々が出てきます。

戦争の舞台も太平洋での対日本戦からヨーロッパ本土における戦いまで、戦うことを知らなかったアメリカ人が他国の職業軍人に負けず劣らず戦えるようになる過程を、緻密に描いています。

このドキュメンタリーを見ながら、たった60年ちょっと前にこんなに過酷な戦いがあったばかりなのに、当時の敵国同士の私と旦那が仲良くこんな映画を見ているのもすごいなあと密かに思っています。アメリカ兵や日本兵の死体がたくさん出てきてむごいシーンもたくさんあるのですが、同じ人間としての苦悩や悲しみ、そして希望がきちんと描かれていて、どちらが悪い、という話にならないせいかも知れません。

当時の映像がふんだんに出てきて、もちろん日本の軍人が撮ったと思われる画像もたくさん出てくるのですが、単純にすごいなあと思ったのは、アメリカ軍が撮ったと思われる画像が、既にカラーで戦闘シーンまできれいに写っているところ。ここまで国力が違う相手に向かっていきなり戦線布告した日本も怖いもの知らずだったんだなあとつくづく思いました。

今ちょうど、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」を読んでいて、明治の時代の日本がどれほどの急成長を遂げたか、その当時の日本人の愛国心というものがどういうものであったか、について色々考えるところがあったため、その後の第二次世界大戦のドキュメンタリーについてはいよいよ感慨深いところがあります。この本は主に日露戦争についてなのですが、日清、日露の二つの戦争に勝った日本がその後急速に軍事に傾いてしまう理由が分かるような気がします。今の日本人から見たら、その当時の愛国心など想像もつかないものかも知れません。

アメリカは今も戦時中なので、愛国心という言葉はよく使われますが、第二次世界大戦当時とはまったく意味合いが違う気がします。あの、人類のほとんどが巻き込まれるほどの、熾烈な戦いを引き起こした、人間の愛国心とは何だったのでしょうか。国家というものの意味が、たった60年の間で変わってしまったかのようです。

それにしても、短期間で復興を成し遂げ、その後もずっと平和憲法を維持し続けている日本はすごいと思う。逆に、アメリカは戦勝国だったのでちょっと記憶が短すぎるんじゃないかと思ったりするけど、こういうドキュメンタリーを作る人が出る土壌があるというのは、さsがだなあと一本取られた気がします。

posted by neko at 13:16| サンフランシスコ ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 本や映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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